建墓例・お客様の声

石徳ではお客様と一緒にこだわりのお墓づくりを進めてまいります。
これまでの事例の一部をお客様の声と一緒にご紹介いたします。

外柵 石碑 共に「総 庵治石 細目極上」のお墓

港区J家
石碑:香川県産庵治石細目極上
外柵:香川県産庵治石細目極上

墓地探し

寿陵(生前にお墓を建てること)での建墓をご検討のお施主様よりご相談いただきました。都内の緑豊かな名刹寺院をご案内いたしました所、すぐにご入檀をお決めくださいました。入檀先祖回向も滞りなく終えられ、建墓の打ち合わせが始まります。

素材・デザイン

お施主様は最初から「寿陵なのでこだわって作りたい」と仰っておりました。石碑から外柵までを香川県産庵治石細目極上で、一部分に宮城県産伊達冠石を使いたいとのことでした。伊達冠石は「トラ目」と呼ばれる模様が美しい黒色の安山岩で、経年によってその黒色が鉄褐色に変化していく特性があります。お花を縦にお供えするのではなく、横に寝かせて置く形にしたいというご要望もあり、まずは下記を含めた数点のデザインをご提案いたしました。

■完成予想図

丸い水鉢と、階段の叩き加工を気に入ってくださり、その部分は活かしつつデザイン修正を重ねていくことになりました。また、全ての部品を香川県産庵治石細目極上で建墓することに決定いたしました。

■完成予想図

デザインのお打合せから決定まで、約1年半のお時間をいただきました。
■完成予想図

花立と水鉢以外はこちらのデザインでOKをいただくことができました。花立と水鉢は試作品を作り、もう少し微調整を続けていくことになります。

試作品

お施主様は花立、特にお花の見え方に1番のこだわりをお持ちでいらっしゃいました。図面だけではイメージしづらいため、1度試作品を作りそれを基に話を進めていこう、ということになりました。
国産石を使って試作品を作り、お施主様にご確認いただいたり(そのときの様子はこちら)、紙粘土やテープを使って形状を修正したものを加工屋さんへ持ち込んで直してもらったり(白く見える部分が紙粘土で形状を修正した部分です)

実際にお花を入れて見え方を確かめたり(そのときの様子はこちら)いたしました。
そうして完成した試作品を加工屋さんへ納め、試作品の通りに作成します。

石探し

デザインのお打合せと同時に、超大型の部品は既に原石の採掘を進めておりました。全ての原石が揃うまで、1年半以上の時間を要しました。庵治石の山でも「ここ5年間で採掘された最大級の原石ブロック」で、尚且つ弊社の基準を満たした石となると、そう簡単には見つかりません。今回も検品の為、何度も香川県を訪れることになります。
2019年9月、原石ブロックが見つかったとの連絡を受け庵治石の山を訪れました。その時の様子はこちら
原石ブロックの大きさを確認し、次の段階へと進めてもらいました。
2020年3月、再び庵治石の山へ向かいました。笠石と屏風の原石を確認するためです。その時の様子はこちら
残念ながらこの時の石は製品にはならなかったため、また振り出しに戻ってしまいました。
2020年5月、また超巨大原石を確認しに庵治石の山を訪れました。その時の様子はこちら
ゆっくりではありますが、すこしずつ石が揃ってきました。
2020年7月、棹石の確認の為、再度庵治の山へ。その時の様子はこちら
部品も揃い、次は彫刻作業です。

彫刻

彫刻は棹石に家名、入り口の柱に家紋を彫ることにいたしました。棹石はW4尺(約121㎝)H2.5尺(約75.8㎝)の超巨大部材です。「仕上がりのバランスが悪いのでやりなおし」ということは絶対にできません。お施主様は、実際にお参りした時に家名がどのあたりに来るか、細部までこだわりをお持ちでしたので、原寸大に印刷した原稿をご用意いたしました。その時の様子はこちら
原稿もOKをいただけましたので彫刻作業です。彫刻も数日間に渡り慎重に進めます。

「神」の文字が完成しました。

他の文字と家紋も丁寧に進め全ての彫刻が完了いたしましたので、いよいよ施工です。

施工

基礎工事です。

十分な転圧を行い、地盤をしっかりと押し固めます。

最後は人の手でさらに部分的に転圧をします。

強度を高めるために杭を打ちます。

鉄筋は2段にします。

続いて据付工事です。

部品のずれを防ぐため、昔から行っている「つぎとろ」という手法を施します。表からは見えないところですが、丁寧に施工します。

完成

ついにお引渡しとなりました。
お施主様には「よかった!」「きれい!」と何度も仰っていただきました。
お施主様の想いが十二分に詰まった庵治石細目極上のお墓が完成いたしました。
奥様とご長男様ご夫妻はその迫力にやや圧倒されたご様子でしたが、最後は並んで記念写真を撮っていらしたので、皆様には喜んでいただけたかと思います。
お施主様は「(生前の建墓は)とてもおめでたいことであるし、(ご長男様には)お墓や事業を継いでいく自覚を持ってくれるだろう」と仰っておりました。
天候に恵まれない日が続きましたが、工事期間中は雨に降られることなく、そしてお引渡しの間は素晴らしい青空が広がり、太陽に照らされ光り輝く庵治石細目極上は本当に目を奪われる美しさでした。
お施主様ご夫妻には、初めてお問い合わせをいただいてから実に2年4か月という長いお時間をお付き合いいただきました。
石屋としての誇りをかけて携わらせていただき、社史に残る素晴らしいお仕事をさせていただきました。
心から感謝申し上げます。

※お花立はお施主様のこだわりの作品ですので画像の公開は控えさせていただいております。